機能
材料・素材の製造
環境・リサイクル対策
その他
適用製品
海底資源開発設備、洋上選鉱設備、鉱物炭酸塩化による二酸化炭素固定設備、CCS(二酸化炭素回収・貯留)の貯留先設備、選鉱残渣処理設備
目的
海底資源の選鉱では有価物を回収した後の残渣が大量に生じ、海中に放出すれば堆積物プルームが発生し、洋上や陸上で処分すれば経済性が損なわれる。また鉱物の炭酸塩化による二酸化炭素の固定は、原料の採掘・粉砕コストが実用化の障壁であった。本発明は、選鉱で既に微粉砕された残渣を二酸化炭素の固定媒体として利用し、炭酸塩化で固結させて海底へ戻すことで、両課題を同時に解決することを目的とする。
効果
1.残渣は選鉱のため既に微粉砕されているので、追加の採掘・粉砕なしで二酸化炭素を炭酸塩として永続的に固定できる。2.固結により残渣が粗大化・重質化し、海底へ戻す際の堆積物プルームを抑制できる。3.固結残渣で採掘跡の凹部を埋め戻し、海底地形を復元できる。4.残渣中の重金属類を炭酸塩中に封じ込め、溶出を抑制し得る。
技術概要
海底からレアアース泥やマンガンノジュール等を揚泥管で洋上設備へ揚送し、選鉱部で有価物を回収する。選鉱部から排出される残渣は、有価物回収のために既に微細に粉砕されているため、炭酸塩化に適した原料となる。反応部でこの残渣に二酸化炭素を接触させ、残渣中のカルシウム・マグネシウム等を炭酸塩化するとともに、析出した炭酸塩で粒子同士を結合させて固結させる。固結残渣は返送部の降下管を通じて海底近傍まで導かれ、採掘でできた凹部を埋め戻すように堆積される。二酸化炭素は洋上設備や船舶の排ガスのほか、陸上で回収され輸送された液化二酸化炭素を受け入れて供給できる。残渣を造粒しながら反応させて粒径・強度を管理する構成、反応部の入口と出口の二酸化炭素量の差から固定量を算定・記録する計測部、発電設備の排熱で反応を促進する加温部を備えることもできる。
改善効果1
従来の鉱物炭酸塩化では、反応表面積を確保するために原料を採掘・微粉砕する必要があり、そのコストが実用化の障壁であったが、選鉱で既に微粉砕された残渣を原料とすることで、追加の採掘・粉砕なしに二酸化炭素を固定できる。
改善効果2
従来、選鉱残渣を海中に放出すると微細粒子が懸濁して堆積物プルームが広範囲に拡散していたが、炭酸塩化により残渣を固結させて粗大化・重質化し、降下管で海底近傍の採掘跡に堆積させることで、プルームの発生を抑え、海底地形も復元できる。
改善効果3
従来は残渣を洋上や陸上で保管・処分すると膨大な量のため事業の経済性が損なわれていたが、残渣を二酸化炭素の固定媒体として活用し、固定量を計測・記録して第三者検証に備えることで、残渣処分を二酸化炭素削減の価値に転換できる。
アピール内容
海底資源開発では、有価物は揚送量のごく一部にすぎず、残りは大量の選鉱残渣となります。その処分、特に海中放出による堆積物プルームは、事業の許認可と社会的受容を左右する最大の環境課題です。一方、鉱物の炭酸塩化は二酸化炭素を安定した炭酸塩として永続的に固定できる優れた手段ですが、原料を採掘・微粉砕するコストが実用化を妨げてきました。
本発明は、選鉱の排出側に反応部を置くという配置の工夫により、この二つの課題を同時に解決します。選鉱で既に微粉砕された残渣を原料とするため、粉砕のための追加エネルギーは不要です(試算では日量3,400トンの残渣で約10万kWh/日の粉砕電力が不要)。固定量は年間約5.6万トンないし11万トンと試算され、操業に伴う排出を上回る正味の二酸化炭素除去も期待できます。固定量を算定・記録する計測部により、第三者による検証・認証の基礎資料も得られます。
陸上で回収した二酸化炭素の受け入れ先にもなり得るため、海底資源開発事業者だけでなく、CCS事業者、電力・素材産業など幅広い分野での活用が考えられます。当社は、マンガンノジュール回収装置(特許第7940228号)やメタンガス捕集・メタンハイドレート生成装置および回収システム(特許第7940227号)など深海資源開発の特許を多数保有しており、組み合わせたご提案も可能です。
特許権実施許諾:
可
実施権条件:
通常実施権・専用実施権のいずれも応相談です。一時金およびランニングロイヤリティは、実施規模・用途に応じて協議のうえ決定します。共同研究や実証試験のご提案も歓迎します。