適用製品
深海底マンガンノジュール採集機、海底鉱物資源回収装置、海底走行式採鉱車両、深海資源開発設備
目的
海底のマンガンノジュールは泥や細粒堆積物とともに存在するため、従来の回収装置では泥を多量に巻き込み、搬送装置の詰まりや回収効率の低下を招いていた。本発明は、回転羽根による掬い上げと重力落下、複数段の格子による泥の分離を組み合わせ、泥の巻き込みを抑えつつマンガンノジュールを効率よく回収できる装置を提供することを目的とする。
効果
1.回転羽根でノジュールを持ち上げてから落下させるため、重力を利用して泥を自然に分離できる。2.泥落とし格子と段差格子の二段階で泥と小粒物を落とすため、搬送装置の詰まりを抑えられる。3.泥を装置内に取り込まず海底へ戻すため、海底環境への影響を低減できる。4.簡素な構造で高い回収効率が得られる。
技術概要
クローラで海底を走行する回収装置の前方に、装置幅とほぼ同じ幅のドラム状の回転羽根を設ける。各羽根の先端にはポケットが形成され、海底のマンガンノジュールを掬い上げて上方へ運び、ポケットが回転軸の頂点付近を通過すると重力によりノジュールが落下する。回転羽根の後方には泥落とし格子があり、落下したノジュールが通過する際に泥や小粒物が隙間から海底へ落ちる。格子を通過したノジュールはコンベアで搬送され、その搬送途中または後方に設けた段差格子(複数の縦レール状部材を並設した格子)の上を滑りながら移動する間に、残った泥や小粒物がレール間の隙間から再び落下する。こうして泥を複数回にわたり分離したノジュールが後方の保管庫に収容される。回転羽根の左右にはノジュールの逸散を防ぐサイドガードを、前方には泥中に半埋没したノジュールを浮き上がらせるスクレーパーを設けることができる。
改善効果1
従来は回転羽根や回収バケットで掬い上げたノジュールを泥ごと搬送していたが、ノジュールを所定の高さまで持ち上げてから落下させることで、重力により泥を自然に分離でき、泥の巻き込みを抑えられる。
改善効果2
従来は泥を十分に分離できないまま搬送するため装置内部で詰まりが生じていたが、泥落とし格子と段差格子により搬送途中で泥と小粒物を複数回にわたって落とすことで、搬送装置の詰まりを抑え、安定した連続回収が可能になる。
改善効果3
球状で転がりやすいノジュールが回収時に左右へ逃げていたが、回転羽根の左右のサイドガードと装置幅に近い幅広の回転羽根により逸散を防ぎ、さらにスクレーパーで泥中に半埋没したノジュールも掬い上げられるため、回収率が向上する。
アピール内容
マンガンノジュールはマンガン・ニッケル・コバルト・銅などを含む重要な海底鉱物資源ですが、深海底の泥とともに存在するため、回収時の泥の巻き込みが大きな課題でした。本発明は、回転羽根で掬い上げたノジュールを一度持ち上げてから落下させ、泥落とし格子と段差格子の二段階で泥と小粒物を海底へ戻すという、重力を活かした簡素な構成で、泥の巻き込みと搬送装置の詰まりを抑えます。ポンプや水流による分離装置に頼らないため、構造が簡単で保守が容易であり、泥の舞い上がりを抑えることで海底環境への負荷低減にもつながります。
当社は、メタンガス捕集・メタンハイドレート生成装置および回収システム(特許第7940227号)や選鉱残渣の炭酸塩化処理システム(特許第7940229号)など、深海資源開発に関する特許を多数保有しており、採集から処理までを組み合わせた総合的な海底資源開発システムとしてのご提案も可能です。
特許権実施許諾:
可
実施権条件:
通常実施権・専用実施権のいずれも応相談です。一時金およびランニングロイヤリティは、実施規模・用途に応じて協議のうえ決定します。共同研究や実証試験のご提案も歓迎します。