目的
感情の可視化とその伝達を可能とする技術的手段の提供。
効果
音声・テキスト・画像などの多様な入力情報をもとに子どもの感情を可視化し、それに応じた共感的な応答を生成する機能を備えている。これにより、支援者が子どもの心の動きを直感的に理解しやすくなるとともに、数値化やラベリングによって子どもが不利益を被ることを避けつつ、感情の変化を「寄り添いの補助」として活用できる。
また、AIとの対話履歴や感情データが継続的に蓄積されるため、支援者が交代した場合でも、過去の情報に基づいて継続的かつ一貫した支援を行うことが可能となる。
技術概要
ユーザ(10)との対話履歴を保持する対話履歴保持手段(30)と、
前記対話履歴に含まれる入力情報に基づいて前記ユーザの感情状態を分析する感情分析手段(40)と、
前記感情状態の分析結果に基づいて心理的緊急性を判定し、状態マークを生成する状態マーク生成手段(50)であって、
(i)所定時間内におけるネガティブ感情の出現頻度(時間的密度)、および
(ii)単一の対話における感情強度
という二つの評価指標に基づいて前記心理的緊急性を判定する、状態マーク生成手段(50)と、
前記判定された心理的緊急性に応じた前記状態マークを支援者(70)に提示するとともに、前記ユーザ(10)による共有許可に基づき、共有が許可された対話内容の要約された情報を、前記支援者(70)に提示する可視化手段(60)と、
を備えることを特徴とする、児童支援AIシステム。
アピール内容
子どもの心理的な危機の兆候を、継続的なストレスと突発的な危機の両面から捉えるAI支援技術です。
本発明の特徴は、感情そのものを分析するだけでなく、「支援者がいつ気づくべきか」を判定する点にあります。
所定時間内のネガティブ感情の出現頻度(時間的密度)と、一度の対話で表れた強いネガティブ感情という二つの評価指標を組み合わせることで、じわじわと蓄積する継続的なストレスと、単発で現れる突発的な心理的危機の双方を捉えます。
さらに、生命・身体・心理的安全に関わる語句を検出した場合には、この二つの評価指標による判定を待たず、最高レベルの緊急度を設定します。
もう一つの特徴は、本人の意思を尊重したアドボカシー(代弁支援)機能です。本人が共有を許可した対話内容のみを要約して支援者に提示することで、直接は言い出しにくい思いや要望を、本人の意思を尊重しながら支援者へ届けることができます。
本発明では、AIが最終的な判断や介入を行うのではなく、心理状態の変化や緊急性を支援者に提示し、人による支援判断につなげる補助技術として設計しています。
児童養護施設、一時保護所、学校、家庭向け見守りサービス、スクールカウンセラー等との連携などでの活用を想定しています。
また、感情解析と対話履歴を扱う技術であることから、医療・介護・カウンセリング等への応用も考えられます。既存の対話AI、教育ICT、見守りサービス等への機能追加としての実施も可能です。
本発明は、関係性仲介型感情支援AIシステム(特許第7817790号)と組み合わせることで、子どもの状態に気づき、その思いを相手に届けるまでを一貫して実現できます。