目的
重酸素水中の全有機体炭素(TOC)の測定において、重酸素水の燃焼により生成された17Oや18Oを含む二酸化炭素の赤外吸収波長は、16Oから成る二酸化炭素の赤外吸収波長からシフトしている。そのため、17Oや18Oの存在比が高いと、測定強度にきちんと反映されず、正確な測定が行えないという課題があった。
そこで、重酸素水中のTOC濃度を通常水と同等の正確さで分析できる重酸素水のTOCの測定方法を提供する。
効果
TOCが未知である重酸素水(試料水)を希釈してTOC濃度を測定し、得られた測定値に補正係数を乗じることで、試料水中のTOC濃度を定量できる。
これにより、測定装置を変更せずに、重酸素水中のTOC濃度を通常水と同等の正確さで分析できる。
技術概要
第1ステップ((1)通常水に既知量のTOCを含む溶液を複数調製、(2)燃焼酸化非分散型赤外線吸収法により溶液中のTOCを測定、(3)検量線を作成)と、
第2ステップ((1)重酸素水を通常水で希釈、(2)既知量のTOCを含む溶液を複数調製、(3)燃焼酸化非分散型赤外線吸収法によりTOCを測定)と、
第3ステップ(検量線を用いて、第2ステップで調製した各溶液のTOC濃度を計算)と、
第4ステップ(第1ステップで得られた検量線から求められる各溶液のTOC濃度と、第3ステップで得られた各溶液のTOC濃度とから、補正係数を算出)と、
第5ステップ((1)TOCが未知である重酸素水を通常水で希釈、(2)この希釈した溶液のTOCを燃焼酸化非分散型赤外線吸収法により測定、(3)検量線を用いて補正前のTOC濃度を計算)と、
第6ステップ(補正前のTOC濃度に、第2ステップで用いた希釈倍率を乗じ、さらに補正係数を乗じて補正後のTOC濃度を計算)を含み、
第2ステップ及び第5ステップで用いる希釈倍率が、2〜10倍の範囲である。