目的
半導体製造装置の絶縁膜としては、誘電率が3.0以下の膜が必要となり、Si系およびSiを含まない有機系の材料を用いた膜の開発が活発に行われている。これは膜自体の機械的強度が低く、プラズマ耐性も低いと言う特性を有しているため、プラズマ処理を受けた際に、絶縁膜を構成する有機基が切断されて脱離するなど、絶縁膜誘電率上昇など電気的特性が劣化する。
この絶縁膜のダメージ回復処理に際に、銅配線層などの配線材料上に回復剤が残留することがなく、かつドライプロセスによる処理が可能な、量産性に優れる絶縁膜のダメージ回復方法を提供する。
効果
プラズマ処理を受けて生じたシラノール基が回復処理により消滅し、ダメージを受けた絶縁膜の誘電率をほぼ完全なまでにプラズマ処理前の値に回復させることができる。また、ダメージを受けた絶縁膜と回復剤との反応によって生成する副生成物が、二酸化炭素や酸素などの常温で気体であるため、配線材料上に回復剤あるいはその反応生成物が残留することがなく、後工程に悪影響を与えることがない。さらに、回復処理をドライプロセスで行うことが可能となるので、量産性にも優れる。
技術概要
プラズマ処理によりダメージを受けた絶縁膜を、ニトロ基、カルボニル基、のうち少なくとも1種以上と、炭化水素基または水素基の1種以上を有する分子構造の化合物であって、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸プロピレン、炭酸ジフルオロメチル、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラフルオロメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラエチル-3,5-ヘプタンジオン、2-ジメチル-3,5-ヘキサンジオン、2-ジエチル-3,5-ヘキサンジオン、2-ジメチル-3,5-ペンタンジオン、2-ジエチル-3,5-ペンタンジオン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ヘキサノン-2、ヘキサノン-3、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、ホロン、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセトン、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、カプロアルデヒド、ヘプタアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、1,2,4-1Hトリアゾール、ホルムアルデヒド、ギ酸、酢酸、無水酢酸、無水ギ酸、ギ酸メチル、又はギ酸エチルからなる回復剤の少なくとも1種以上と接触させる。