目的
リポカリンファミリーはバレル構造によってポケットを有しており、いわばコップのような形状をしている。ここに、難水溶性の薬剤を収納することができる。しかも、薬剤によっては、複数個の分子単位を収納することができる。しかしながら、バレル構造によって形成されたポケットは、常に開口しており、移送の途中で内在させた薬物がこぼれてしまうおそれがある。
効果
拒絶反応(アレルギー反応等)や毒性といった一般的にDDSが有する課題を容易に乗り越えることができる。また、ターゲットに対する標的結合部を含めて組換え合成を行うことで、容易に産生することができる。さらに、本発明は、バレル構造によって形成されるポケットを閉じたり開いたりすることができるようになるため、薬剤運搬のロスが少なく、また、標的部位への的確な薬剤投与も可能と考えられる。
また、分子選択的認識機能を持ち、がん組織を狙い撃つ「ナノキャリア蛋白質」として医薬品開発分野における新しい方向性を与えることができる。
技術概要
リポカリンファミリーをDDS用のカプセルとして利用する際に、バレル構造で形成されたポケット中に薬物を収納した後、ポケットの開口をジスルフィド架橋(S−S結合)によって閉じることができるようにするものである。具体的には、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の酵素活性を失活させ、N末端から34番目と92番目のトリプトファンをシステインに置き換えたことを特徴とするDDSカプセル用タンパク質を提供する。