目的
植物の生育段階を正確に判定可能となる生育段階判定方法と、その生育段階判定方法を用いて肥料成分を植物の生育段階に応じて適切に給液できる給液制御方法及び給液制御システムとを提供する。
効果
この生育段階判定方法では、天候に基づく日射量と植物群落の繁茂程度との両要因を考慮した受光環境をリアルタイムでモニタリングすることができ、植物群落の受光環境から生育段階、さらには肥料成分の吸収状況を正確に判定可能となる。そして、この給液制御方法及び給液制御システムでは、当該生育段階判定方法に基づく構成であるため、植物の実際の肥料成分の吸収状況に応じた過不足のない適切な給液制御が可能となり、収量と品質の向上が期待できるのは勿論、余剰肥料の流出が抑制されて環境負荷も低減可能となる。
技術概要
受光面の前方側を除いて周囲を遮光した散乱光センサを、植物群落内と植物群落外とに、夫々受光面を北方向に向けた状態で少なくとも1つずつ設置し、植物群落内外での散乱光センサの出力差に基づいて植物の生育段階を判定する、植物の生育段階判定方法である。図1は、散乱光センサの説明図で、左が正面、右が右側面(一部は断面)を夫々示す。図2は、給液制御システムの説明図、図3は、温室外日射量に対するPPFD(光合成有効光量子束密度センサ及び散乱光センサのΔPの変化を示すグラフ、図4は、トマトの栽培過程における温室外日射量、上下の散乱光センサの出力、ΔPの日変化を示すグラフ、である。立方体状の箱体の鉛直方向の一面のみを開口させた黒色の遮光枠2と、その遮光枠2内に、受光面を遮光枠2の開口に向けた姿勢で設置されるシリコンフォトダイオード3とからなる散乱光センサ1を、植物群落P内と植物群落P外との二箇所に、夫々受光面を北方向に向けた状態で1つずつ設置して、測定手段7で両散乱光センサ1、1の出力差ΔPを測定し、測定結果に基づいて植物の生育段階を判定する。
改善効果1
特に散乱光センサは簡単な構成であるので、採用に伴うコストアップは少なく、システムも低コストで構築可能となる。一方、この方法及びシステムにおいて散乱光センサの出力差の積算値を採用すれば、植物群落の受光環境を適正に評価でき、肥料成分の吸収状況の判定精度の向上に繋がる。