目的
近接場光により試料から放射される信号光のプローブ・試料間距離依存性を調べることができる近接場光学顕微鏡の信号光測定方法及び近接場光学顕微鏡を提供する。
効果
プローブと試料との相対距離の周期的変化に同期して試料に照射される光強度が変化するため、得られる信号光の強度もプローブと試料との相対距離の周期的変化に同期して変化する。このため、例えば1周期分の信号光のうち最大値の信号光の強度や分光特性等を計測することにより、プローブ・試料間距離が任意の大きさのときの信号光の検出が可能になる。従って、プローブ・試料間距離に依存して信号光の強度や分光特性が変化する様子を観察することができる。
技術概要
図1は近接場光学顕微鏡の信号光計測システム10の概略構成を示すブロック図である。このシステム10は、近接場光学顕微鏡とラマン分光器とを組み合わせたものであり、プローブを用いた近接場光学顕微鏡により観察されるラマン散乱スペクトルを測定し、試料分子のイメージングを行う。具体的には、システム10は、試料が載置されるガラス基板などの透明基板12、試料の表面を走査するプローブ14、試料に励起光を照射する励起光源16、試料から放射される信号光としてのラマン散乱光を検出する分光器18を備える。プローブ14は、例えば原子間力顕微鏡用のカンチレバーの先端に約35nmの銀薄膜を蒸着した銀チップから成る。カンチレバーは、バイモルフピエゾ素子などの振動子20によって試料に垂直な方向に一定の振動数で強制振動されるようになっており、これにより銀チップの先端が試料表面に間欠接触する。また、銀チップの試料表面に対する接触によるカンチレバーの振幅の減衰量が一定になるように自動制御される。図2〜図4は、励起光の出力タイミングとプローブ・試料間距離との関係を説明するための図である。