目的
所望のpH感受性および生体に対する安全性を有する経口投与用リポソーム製剤、およびこの経口投与用リポソーム製剤の簡便かつ安価な製造方法を提供する。
効果
酸性の程度に依存して、薬物放出率が増加するようなpH感受性を有する。このため、経口投与用リポソーム製剤に担持された薬物は、口腔内で放出されず、消化管の中で放出されることが可能である。かかる機能により、薬物の不快な味を口腔内で感じることを防ぎつつ、薬物を所望の部位に到達させることができる(マスキング)という効果を有する。
技術概要
内水相がpH3以下であるリポソームが、外膜に修飾を施すことなしに所望のpH感受性を有すること、およびリポソームが簡便かつ安価に製造可能であることに着目し、かかるリポソームに薬物を担持させることにより経口投与用製剤として利用し得ることを見出した。脂質で形成された小胞と小胞内に存在する内水相とを備えたリポソームを含み、リポソームの内水相のpHが3以下であり、かつリポソームが酸性で安定な薬物を担持している、経口投与用リポソーム製剤である。内水相のpHが−1以上である。リポソームが、pH7以上8以下の環境下では薬物を担持し、pHが3以下の環境下では薬物を放出する機能を有する。酸性で安定な薬物は、向精神薬である。向精神薬は、催眠鎮静薬である。小胞の外膜表面が合成化合物による修飾を有するものでない。pH3以下である酸性溶液下で、脂質と酸性で安定な薬物とを懸濁することを含む、経口投与用リポソーム製剤の製造方法である。図に、異なるpH環境によるミダゾラム放出率の経時的変化を示す。
改善効果1
薬物の封入効率がよく、薬物の保存安定性が良好である。さらに、この経口投与用リポソーム製剤が投与された生体では、薬物をそのまま投与した場合に比べて、血中の薬物濃度が高いため、薬物動態の改善への寄与も期待される。
改善効果2
この経口投与用リポソーム製剤を、簡便かつ安価に作製することができる。