適用製品
注意欠陥多動性障害の予防および/または治療剤のスクリーニング
目的
ヒト注意欠陥多動性障害(ADHD)との関連性の高い新規なモデル動物の提供。
効果
この技術によれば、PI3Kの機能が欠損していることにより生じている脳内の神経構造の変化を解析することは、ADHDの原因となるような、神経回路の異常の解明に繋がる。また、PI3Kノックアウトマウスの異常行動が、PI3Kシグナル伝達系が減弱していることによるものと捉えれば、PI3Kシグナル伝達系を賦活させるようなコンセプトによる新しいADHD治療薬の開発も可能である。
技術概要
本技術のPI3K−p85α遺伝子の機能欠損動物を得るためには、これらの遺伝子をクローニングし、インビトロで遺伝子の機能を欠損させた後に、欠損遺伝子を動物に戻して染色体上のPI3K−p85α遺伝子との間で相同組換えを起こさせ、染色体上のPI3K−p85α遺伝子を破壊し、その動物自体又はその子孫の遺伝子の機能を欠損させる。ここで、動物に遺伝子を導入してその動物の個体又は子孫にその遺伝子を発現させる手法としては、遺伝子DNAを受精卵の前核期胚に注入する方法、組換えレトロウイルスを初期胚に感染させる方法、相同組換えを起こさせた胚性幹細胞(ES細胞)を胚盤胞又は8細胞期胚に注入する方法等によって得られた宿主胚を動物に移植して産仔を得、これを他の個体と交配し、F1ヘテロ変異動物、さらにはF2ホモまたはヘミ変異動物を作成する方法が挙げられる。このうち、ES細胞を用いる遺伝子導入の方法は、相同組換えにより遺伝子を破壊(ノックアウト)するのに適しており、ES細胞に遺伝子を導入する工程とキメラ動物を作出する工程とを分けて行えるという利点を有しているので好ましい。
アピール内容
PI3Kのサブユニットp85αの機能を欠損させた動物に被験物質を投与し、その行動パターンを神経科学的な観点で解析することで、注意欠陥多動性障害の予防および/または治療剤として有用な物質をスクリーニングすることができる。従って、PI3Kのサブユニットp85αの機能を欠損させた動物は、注意欠陥多動性障害の動物モデルとして有用である。
有体物情報
マウス/P13K−p85αノックアウト