目的
半導体プロセスの整合性に優れており、基板と磁性半導体薄膜とが格子整合し、強磁性転移温度(Tc)が300K付近でバラツキが少ないII−IV−V↓2族の磁性半導体薄膜及び磁性半導体薄膜の製造方法を提供する。
効果
この磁性半導体薄膜を用いることにより、室温においても動作可能な半導体スピントロニクスデバイスとしてトンネル磁気抵抗素子、記録素子、発光素子、トランジスタ、スピン偏極素子などを提供することができる。
技術概要
加熱した基板上に緩衝層を形成した後に、緩衝層上に磁性半導体層として遷移金属元素を添加したZnSnAs↓2をエピタキシャル成長させる磁性半導体薄膜の製造方法である。図1は、分子線エピタキシー(MBE)法により、加熱したInP基板上に緩衝層としてZnSnAs↓2薄膜を成長させた後に、緩衝層上に磁性半導体層として(ZnMnSn)As↓2薄膜をエピタキシャル成長させるための形成条件及びタイミングチャートとなるグラフを示す。グラフの横軸は時間であり、縦軸は基板加熱温度である。図2は、形成した磁性半導体薄膜の模式図を示す。磁性半導体薄膜を成長させることにより、InP基板から順に、緩衝層となるZnSnAs↓2薄膜、磁性半導体層となる(ZnMnSn)As↓2薄膜が形成されている。図3は、緩衝層及び磁性半導体層の成長時の基板温度に対するZn、Sn、Asそれぞれの組成比を示すグラフである。グラフの横軸は基板温度であり、縦軸はZn、Sn、Asそれぞれの組成比(at.%)である。図4は、InP基板上の緩衝層であるZnSnAs↓2薄膜のXRDパターンを示すグラフである。グラフの横軸は回折角2θであり、縦軸は回折強度である。