目的
近赤外脳機能計測法(fNIRS)で計測される信号には、脳活動以外にも、心拍、呼吸、自律神経活動に伴う内因性の変動が含まれているが、これらの変動を抑制し、計測データからこの機能性信号を取り出すようにする。
効果
従来の、定常光光源を用いた装置とModified Beer Lambert lowに基づくアルゴリズムを組み合わせた測定法(MBL法)においては、体動や体位変化に伴う変動(motion artifact)が存在し、ときに脳活動信号の数倍の大きさにも及び、脳活動領野よりもはるかに広い両側半球でタスクと時間相関を持つ変動(systemic response)が見られたが、Reference Subtraction technique(RS法)においては、これらの変動は顕著に低減した。
技術概要
近赤外光を生体の所定の部位に照射し、所定の部位の近傍において出射してくる光を検出し、生体に関する情報を獲得する光計測装置であって、近赤外光の光源、受光プローブ及び該受光プローブの近傍に参照プローブを設け、受光プローブ及び参照プローブにより測定される吸光度変化の差分に基づいて生体に関する情報を獲得する光計測装置である。また、所定の部位は、頭脳であり、さらに、生体に関する情報は、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンである光計測装置である。照射プローブと受光プローブを結ぶ直線上に新たに参照プローブを図1のように導入する。この場合のそれぞれのプローブで捉えられる光の行路は、図1で示された形状を示す。受光プローブ直下および参照プローブ直下の光通過経路において、両者の散乱吸収の時間変化がほぼ相似であることを仮定すると、この二点で観測される吸光度の差は、楕円で示した脳皮質組織のヘモグロビン動態を主に反映するものと考えられる。