目的
疎水性表面へスピンコート法や印刷法といった塗布法によって良好な有機半導体層を形成する。
効果
溶液プロセスによって疎水表面上に有機半導体層を形成することを可能にし、電荷トラップのない(少ない)有機トランジスタを提供できるので、生産性を向上し、素子の経年劣化を押さえ、特性に優れた有機トランジスタの作製が可能になる。また、この方法において、溶媒蒸発の時間をおくことで、塗布法においても良好な結晶性有機半導体層の形成が可能となる。
技術概要
絶縁膜上に少なくとも一種の有機半導体材料を含む有機半導体層を有する有機トランジスタにおいて、絶縁膜表面の少なくとも動作領域が疎水性表面であって、その他の領域が親水性表面である有機トランジスタである。図1は、有機半導体層が製膜される絶縁膜表面が、親水部1と疎水部2とを有することを模式的に示す。図1に示されるように、有機トランジスタ基板のゲート絶縁膜上に、少なくとも動作領域であるチャネル部に疎水処理を施し、その他の部分に親水部1を残す、もしくは親水部1を形成することによって、溶液プロセスによる有機半導体層の製膜を可能とする。図2に、作製した有機トランジスタの素子構造の断面図(a)及び俯瞰図(b)を示す。なお、(b)の点線部の断面図が(a)である。図中、10はpドープシリコンであり、基板とゲート電極を兼ねている。11はシリコン酸化絶縁膜、12はヘキサメチルジシラザン(HMDS)による疎水化膜、13は親水性の酸化シリコン膜、14は有機半導体層、15及び16は、金電極である。図3に室温で測定した素子のドレイン電流―ドレイン電圧特性を示す。