目的
スループット性が高く、細胞運動の経時的な変化を正確に追うことができる、新規な細胞運動性評価システムを提供する。
効果
この細胞運動評価チップにより、一度に多数の被検物質に応答した細胞の運動性を経時的に観察することができ、微量の試料でアッセイが可能である。また、細胞運動を経時的に観察することが可能なため、被検物質がどのステップに効いているのか類推することが容易である。
技術概要
被検物質に応じた細胞の運動性の変化を評価するためのチップは、基板表面の複数の決められた位置に、それぞれ異なる被検物質が、第1の標識となる蛍光タンパク質をコードする遺伝子を含む核酸、トランスフェクション試薬、接触試薬、及び第2の標識により標識化されたトランスフェクション促進剤と共に、固相化したスポットとして設けられている。対象の細胞を播種して2種類の蛍光物質の移動度を観察することにより、被検物質含有細胞の運動性の変化を経時的に観察可能な評価システム、及び細胞の運動抑制物質のスクリーニング法を得る。基板表面は、あらかじめ細胞運動促進剤でコートされている。細胞運動促進剤がTypeIコラーゲンである。トランスフェクション促進剤は、細胞外マトリクス(ECM)及び多糖類から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。接触試薬はゼラチン又は細胞外マトリクス(ECM)である。トランスフェクション試薬が、カチオン性ポリマーである。第1の標識となる蛍光タンパク質をコードする遺伝子がEGFPをコードする遺伝子である。第2の標識が蛍光色を示す標識であって、かつ蛍光色が第1の標識の蛍光色と異なる。第2の標識がローダミンである。
改善効果1
細胞運動性に関わる遺伝子群、および促進的・抑制的性質を持つ化合物のスクリーニングに対して有効である。たとえば、解析したい遺伝子を標的とするsiRNAを細胞へベクターと同時にトランスフェクションしたり、低分子を固定化し導入したりすることで、簡便かつ効率的に創薬ターゲット遺伝子やリード化合物の同定が可能となる。特に癌をターゲットにした創薬の開発への応用が期待できる。