目的
全血から好中球を予め分離することを必要とせず、簡便な操作で好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に検査することのできる好中球機能検査システムを提供する。
効果
特定のハイドロゲルを用いることにより好中球を予め全血から分離することなく、補体等を含む血漿成分が共存する生理的な環境下で、好中球の遊走能を評価できる。ハイドロゲル中に遊走した好中球により産生される活性酸素を定量するので、好中球の活性酸素産生能も同時に評価できる。
技術概要
好中球が選択的に吸着あるいは侵入するハイドロゲルを用い、ハイドロゲル中に侵入した好中球を、ハイドロゲル中で、好中球の活性酸素産生能により検出する好中球機能検査システムである。好中球の活性酸素産生能を化学発光により検出する。好中球の活性酸素産生能を比色により検出する。ハイドロゲルは、低温でゾル状態、高温でゲル化する熱可逆的なゾル−ゲル転移現象を示し、且つゾル−ゲル転移温度より高い温度でゲルは実質的に水不溶性である。ハイドロゲルは、細胞接着因子、好中球走化因子を含有する。好中球機能検査システムを使用し、検出する活性酸素産生能として化学発光量あるいは吸光度を指標とする好中球機能検査方法である。活性酸素分子種と化学的に反応して発光する試薬を共存させて、好中球の活性酸素産生能を発光量によって定量できる。発光する試薬は、ルミノール等の発光試薬、ヒドロキシフェニルフルオレセイン等の蛍光試薬である。図に示すように、ハイドロゲル底面から光を捕捉する態様が好ましい。ハイドロゲルを収容した容器の下部に光電子倍増管、フォトダイオードなどの光センサを置き、受光面がハイドロゲル底面に近い位置で平行となる配置が好ましい。
改善効果1
活性酸素産生能を化学発光量の測定により行うことができ、発光量を連続的に測定することにより好中球の活性酸素産生能の経時変化を観測できる。この好中球機能検査システムでは、従来測定が困難であった生理的条件下での好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に、且つ簡便に検査することが可能となる。従って、好中球機能に関連した様々な病態の診断、予防、治療薬の開発などに極めて有用である。
アピール内容
本件は、『早稲田大学技術シーズ集(問合NO.617)』に掲載されている案件です。