適用製品
金属粉末射出成形法による高密度アルミニウム焼結材
目的
平均粒径が10μmを超える粒径の大きいアルミニウム粉末を原料として使用した場合であっても、少なくとも80%の高密度の焼結体を得ることができるアルミニウム焼結材の製造方法を提供する。また、射出成形法によるアルミニウム焼結体の製造方法に使用するための、平均粒径が10μmを超える粒径の大きいアルミニウム粉末、焼結助剤としてのシリコン粉末、及び有機バインダーを含有するコンパウンドを提供する。また、各種機械部品の軽量化を可能とする高強度、高密度を有するアルミニウム焼結材を提供する。
効果
金属粉末射出成形法におけるアルミニウム焼結助剤としてのシリコン粉末の添加は、アルミニウム粉末の粒径の大小に依らず、添加量が1%前後、具体的には0.75〜2%と少量で焼結を促進し、焼結体の密度を大幅に向上させる。しかも、シリコン粉末の添加量が少ないため、シリコン粉末を添加することによる焼結後の材料特性の変化(融点の低下、延性の低下)がきわめて少ない。すなわち、アルミニウムの有する優れた材料特性を損なわずに、緻密な焼結部材を製造可能である。
技術概要
アルミニウムを主成分とする粉末と有機バインダーからなるコンパウンドを射出成形することにより所定形状に成形した成形体を脱脂、焼結して焼結体を製造する金属粉末射出成形法によるアルミニウム焼結材の製造方法において、平均粒子径が35μmまでのアルミニウム粉末を主成分とする粉末を使用し、コンパウンドとして、シリコン粉末を焼結助剤として添加したコンパウンドを使用し、それにより、合金化による融点の低下を招くことなくアルミニウム焼結体の焼結性を向上させて、少なくとも80%の相対密度を有する高密度アルミニウム焼結材を作製する。また、アルミニウム粉末に対するシリコン粉末の添加量が、0.75〜2.0%(重量比)である、高密度アルミニウム焼結材の製造方法である。シリコン粉末の添加量と焼結体の相対密度の関係を図1に示す。図1からシリコン粉末を添加しない焼結体は、密度が60%にも満たないが、シリコン粉末の添加量を増加させていくと密度が向上し、添加量が1%になると密度は95%まで上昇する。
改善効果1
原料として平均粒径が約10〜35μmのAl粉末を用いた場合でも、相対密度が80%以上で、高密度で優れた室温引張強度を有するアルミニウム焼結材を製造することができる。また、ネットシェイプ成形を特徴とする金属粉末射出成形法によるアルミニウム焼結部品の製造の範囲を拡大し、特に、近年、軽量化が求められている自動車をはじめとする各種輸送器機の焼結部材の製造法に適用することで、大きな波及効果が期待できる。