目的
燃料電池は温室ガスや有害物質を発生しないクリーンな次世代エネルギー源として有望視されている。高分子固体電解質型燃料電池やメタノール直接型燃料電池に用いられる電解質膜としては、湿潤状態でプロトンのみを透過する電解質膜が求められており、現在、ポリイミド系樹脂が検討されているが、ポリイミド樹脂を含む電解質膜は耐加水分解性が低いという問題がある。この技術は、耐加水分解性の向上されたポリイミド樹脂を提供する。また、そのような優れたポリイミド樹脂を含む電解質膜を提供する。
効果
この技術は、ポリイミド樹脂の側鎖に導入する酸性基として特定の基を用いることにより、耐加水分解性を向上させることを可能にした。このポリイミド樹脂を含む電解質膜は、耐加水分解性及びプロトン伝導度の高い、優れたポリイミド樹脂を含む電解質膜であるため、燃料電池の運転温度を100℃以上にすることが可能になり、燃料電池の性能を現在よりも高めて広範な実用化を図ることが可能になる。また、従来から汎用されているパーフルオロアルキルスルホン酸高分子よりも低コストで製造することが可能になる。
技術概要
このポリイミド樹脂は、一般式(1)で示される構造単位を含むポリイミド樹脂である(一般式(1)中、Ar↑1は、炭素数6〜20の芳香環で、隣接するイミド基とともに原子数5又は6のイミド環を形成する。この芳香環の一部の炭素原子は、S、N、O、SO↓2又はCOで置換されていてもよく、一部又は全部の水素原子は、脂肪族基、ハロゲン原子又はパーフルオロ脂肪族基で置換されていてもよい。Ar↑2は、芳香環の水素原子の2つが炭素数7以上の酸アルコキシ基で置換され、一般式(2)で示される基である。この酸アルコキシ基の一部の炭素原子は、S、N、O、SO↓2又はCOで置換されていてもよく、一部または全部の水素原子は、脂肪族基、ハロゲン原子又はパーフルオロ脂肪族基で置換されていてもよい。)(一般式(2)中、X↑1及びX↑2は、酸性基を含む置換基である。l↑1及びl↑2は、酸アルコキシ基の炭素数を表し、それぞれ7以上の整数である。l↑1及びl↑2は、同一でも異なっていてもよい。)(Ar↑2の酸アルコキシ基置換に換えて酸アルキル基置換又は酸アルキルチオ基置換とすることができる。)。このポリイミド樹脂を含む電解質膜は優れた性能を有する。