機能
制御・ソフトウェア
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安全・福祉対策
目的
人は経験に基づいて意思決定や行動判断を行い、経験のないことは行動できない。経験の蓄積は人が様々な行動を行うために必要であり、経験の蓄積は実体験や学習により行われる。経験は行動目的と行動情報及び、ある時点での環境情報と行動結果から構成されており、人は過去の行動結果から予測行動を行う。従って人の経験を再現して行動を行う、経験ベースの人工知能(AI)やロボットは予測判断や予測行動が可能となる。そこで本特許は経験ベースの人工知能(AI)やロボットを実現するための経験情報の登録方法、操作方法と再現方法を提供する。
効果
人の経験とは行動手順と行動結果である。そして、目標を達成する手順は無数に存在するため、行動目的の理解と最適行動のための予測が重要である。ただし、取り得る手順は環境状況により制限されるため、最適な行動手順が立案できるか、否かは所有する経験の多さに依存する。しかし人が持つ経験の融合、合成はできない。そこで本特許は人の行動を観察して経験情報の取得と取得した経験情報の追加、合成、修正を行う手順を提供する。本手法は人の行動を観察して経験を生成するため、対象別にシステムやソフトウエアを準備する必要がない。
技術概要
本特許は人工知能(AI)やロボットで再現可能な経験情報を人の行動から取得する方法を提供する。経験情報は行動目的、手順及び結果とある時点での環境情報を含むため、経験情報の蓄積には、画像、音声、文字情報を一律に扱う方法が必要となる。更に人は主観的に見たり、聞いたりするため、経験情報の生成は人の感覚に沿うことも必要となる。そこで本手法は図1中の110に示す複数の情報識別ルールにより、環境の特徴抽出に加えて、人と同様に主観的に環境情報を抽出して、図1中の124に示す時系列的な目的、動作、環境情報を一律に格納した情報マトリクス遷移列として生成する。例えば、車の操作において、本手法は図2に示す様に勾配検知ルールにより登り勾配が検知され、アクセル操作を行わなければ車が減速する様子を経験情報として取得する。そして取得した経験情報をロボットに搭載することにより、ロボットは登り坂においては車が減速することを予測して適切な運転操作を行う。本手法は経験取得を観察ルール群で行うため、観察方法の変更は観察ルールの追加や修正により容易に行うことができ、経験取得対象を車や船の操作、又は徘徊老人監視や機械操作等に拡張することが可能である。
改善効果1
人工知能に情報を学習させる場合、カメラやセンサーから取得した全てのデータを処理するため、膨大な情報処理が必要である。しかし、本手法では環境に合わせて、あらかじめ存在の可能生のある対象のみを情報識別ルールにより取得するため、情報処理量の低減が可能である。
改善効果2
本手法は従来の様に操作量に対する対象の変化を微小時間サイクルで測定して、高速に制御するのではなく、過去の経験から複数の環境情報を考慮して対象の変化を予測した上で、目標に向けた人に近い操作を行う。更に複数の装置に対する操作量を出力することが可能である。
改善効果3
本特許は環境状況を一括評価して情報マトリクスで図形表現するため、時系列的な環境変化を情報マトリクスの遷移列で表現して、識別することができる。更に各情報マトリクスに言語的な意味づけをすることにより、時系列的な環境変化を言語的に表現することが可能となる。
アピール内容
本特許は人の活動から経験情報を生成して、経験ベースの人工知能(AI)やロボットを実現する。経験ベースの人工知能(AI)やロボットは人に近い行動を行う。本特許は機械操作や人の動きを観察して、経験情報を蓄積するため、応用範囲が広く、しかも対象物別にシステムやソフトウエアを準備する必要がない。例えば、車、船の運転や徘徊老人監視なども本特許で対応可能であり、安価に広範囲の経験情報の収集が可能である。更に本特許により生成した経験情報は人が修正、追加が可能であり、メンテナンス性と継続的な発展性に優れる。人の経験は環境情報、行動手順と行動結果を含み、人は行動に際して、求める目標に近い結果を持つ経験を検索して、現在の状況下で実行可能な経験を採用して行動を行う。現状から目標に至るための時間が長いものが予測行動である。
本手法は過去、現在、未来の操作、観察情報と環境情報を一連の時系列に配置された経験情報として生成するため、本手法により生成された経験情報を持つ人工知能(AI)やロボットは行動目的と環境判断に基づいた、人に近い予測行動行動が可能となる。現状と目標を認識する例を図3に示す(活用のヒントの図3参照)。図3は船舶操船に於ける現状認識と目標状態に至るための多角的な変位量を示している。更に、船舶の自動操船への本特許の試行例を添付する(活用のヒントの資料参照)。本適応例では船舶の操船シュミュレータからまず、直進、左旋回、右旋回を行うための経験情報の取得を行い、次に取得した経験情報を組み合わせて、直進の後、右旋回を行う操船シナリオを組み立てた後、再度船舶シュミュレータ使用して操船シナリオの性能試験を行い、その結果、予定通りの操船操作が得られたことを示している。この結果は、操船シュミュレータと本手法を用いて経験情報を取得した後、実際の船舶の運動特性に合わせた経験情報の修正を繰り返すことにより、次第に正確な自動操船が可能となることを示している。そして、実際の操船においては、本方法を使用することにより、波高や風の影響など実際の環境測定が不可能な条件でも、取得済みの経験を使用して、人に近い操船が可能である。